今年の3月から始まったNVC共感カフェ。この7月で第五回を迎え、レポートしてみました。 このNVC共感カフェでは、さまざまなワークを通して感情の背後にあるニーズを探り、自己や他者に共感していくスキルを身に着けていきます。 今回は第5回。前回までは自己のニーズをさぐる自己共感のプロセスを学んできました。自己のニーズが満たされたうえでの、他者との共感。いったいどのようなかたちで行っていくのか、ちょっと紹介をさせてもらいます。
NVCとは
英語でNon-violent-Communication―非暴力コミュニケーション。 心の深いレベルで自分が何を必要としているのか、相手が何を必要としているのかに耳を傾けると、相手との関係を新しい視点から理解できるようになる。
講師は大田市在住の多才な農民、よしきんぐ。
1987年 千葉県浦安市出身
2009年 千葉大学教育学部卒業 コミュニケーションについて卒論を書く
2011年 ヒッチハイクで日本一周
その後、国内や海外(タイ、ラオス、ネパール、アメリカなど)の山を旅する。
2014年 長野県上松技術専門校木工科へ進学
2015年 ウーフの旅 各地で自然農(無農薬×無肥料)を学ぶ
2016年 島根県江津市へ移住
半農半木生活「旅をする木」スタート
2018年 パーマカルチャーデザインコース受講
2019年 NVC BEING リトリート受講
このワークショップで大事にしていること
- 一般家庭で再現できること 家庭にあるものや簡単に手に入るもので再現ができること
→ちょっとだれかとのコミュニケーションで問題が起こったとき、大きく気分が動いたときがチャンス。このワークショップで学んだ方法で、そのときの感情を振り返ると、すっきりしたり、納得できたりします。 - 一生モノの技術、知識(知恵)、思想を伝えること 特別な訓練や体力が必要なく、一生楽しめるもの。 また、他人や子供にも教えられる方法。
→自身や他者とのコミュニケーションの方法なので、習得すればそりゃあ、ハッピーな人生になってしまいますね。その輪が広がれば、戦争なんてソッコーなくなっちゃう最強な技術です。早くひろめよう。 - 少人数制 質問、気づき、追加情報、感想など積極的にお願いします!
→実際、毎回気軽に気づいたことを質問や意見できる雰囲気なのは、とってもありがたい。
ワークショップをのぞいてみよう
アイスブレイク的ワーク、「日本列島ゲーム」
今回は初めて参加の人が多かったので、初対面でも緊張せずに始められるようにこんなことから始まりました。間違いなく今日イチ恥ずかしいワークなので、これを乗り越えればそのあとのワークはゆるーく楽しめるようになるのです。
自己紹介
- 呼ばれたい名前
- 今の体調or気分、感情
- なぜ、このワークショップに参加しようと思ったか?
自己紹介も毎回このカフェで行うこと。まずは軽くみんなの状況を把握しあって始まります。
ではでは、ワークショップ本編がはじまります。
ワーク1.共感ではないコミュニケーション
- アドバイスをする 「〜〜したほうが良いと思うよ」「どうして〜〜〜しなかったの?」
- うわてに出る 「そんなの大したことない。私に起きたことを聞いたら・・・」
- 教育する 「そういう風に考えるのは体に良くないよ」
- 情報を集める、尋問する 「どれくらい続いているの?」「前にも同じことあったよね?」
- 分析する、説明する 「そもそもの問題はきみが・・・」
- 評価、批判する 「あなたはとっても・・・」「いつになったら学習するんだい」
- 指図する 「そんなとこに座ってないで、何か・・・」
- 注意をそらす、話を切る 「人生ってそんなもんだよ。さて、お昼ご飯は・・・」
これ、日常で何気なくしていませんか?
NVCでは、これらのコミュニケーションをしてはいけない、ということは言っていません。その代わりに、このようなことを言った場合、言われた場合に、どのような感情になるのか、そしてその感情はどんな欲求を満たすために行われているのか、ということを掘り下げていきます。素直な感情の裏側にある満たされたい欲求を認めてあげることで、自身や他者と真につながることが狙いなのです。
ワーク2.共感コミュニケーション
それでは共感するコミュニケーションとは、いったいどのようなものでしょうか。
最近あったネガティブなエピソードを話す
→聞いた人たちはその人が本当はなにを大切にしたかったのか、ニーズカードで該当しそうなものを渡す。
→出そろったニーズカードを、「自分はこんなことを求めていたんだ~」と眺めながら味わってみる。
特にネガティブなことがあったときの感情を自身および他者の目線で探ることで、本当に満たしたかったニーズを満たしてあげることができます。毎回このワークをやっていますが、何回もやっていくうちに満たされていくような感覚がありました。また最も大事にしているニーズさえ満たせれば、あとは取るに足らないことであると、小さなことは気にしなくて済むようにもなりました。
昼休憩は持ち寄りランチ
これもちょっとした楽しみ。それぞれの素敵な持ち寄りメニューが並びます。食べ過ぎて眠くならないよーに!
ワーク3.怒りを表現してみる
午後はメインである「怒りを表現してみる」ワーク。
NVCでは、怒りを以下のようにとらえています。
もっとも無防備な感情 何か大切なものに触れている証拠。 怒りを十分に表現し、十分に聴くことで 奥底にあるピュアなニーズにつながる。
そのため怒りを十分に表現することは、自己共感につながるとしています。もっといえば、怒りの核には人生を豊かにするための手がかりが必ずあるといいます。 自分や相手の怒りに耳をすませ、怒りにただ反応して終わるのではなく、その背後にあるニーズを認めることで、自己や他者の共感を得やすくなるそうです。 怒りを覚えたときの、相手を責めることば、自分を責めることば、相手に共感することば、自分に共感することばをそれぞれ表現していきます。
NVCでは、怒りを表現すること自体を否定しません。このワークでは公認で怒りを表現することができるので、普段怒りを我慢している人に特に画期的だったようです。
NVCが目指すコミュニケーション
深く耳を傾ける力と 尊敬したり共感したりする力を伸ばし、 心の底から与えたいという気持ちを引き出す (罪悪感で動機付けしていないかを区別する)
非暴力
レッテル貼り、批判、評価、判定のない世界。評価・判定を下すことに注意を向けるよりも、観察し感情に気づき、何を必要としているのかを明確にすることに集中すれば、深い共感へとつながることができる。
NVCで実現する世界は、要は自身や他者の「ありのままのニーズ」を見い出し、みとめあう状態です。
それと対比される「懲罰的世界観」
互いをコントロールしやすい、つまり互いに自由や自立を保ちにくくなるコミュニケーションとされます。
「年齢や性別、常識を軸とした評価・比較」や「批判」「指図」「アドバイス」は存在しません。
「あなたは女だから〇〇くらいできて当然だ」
「その年齢ならふつう〇〇くらいできるよね」
「○○しないなんて、なんておろかだ」
「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」
「もっと○○したほうがいいよ」
「〇〇さんより上手だね」
またこの世界観は、自分の感情と行動の責任を負うことを回避することにもなります。
「みんな吸っていたからタバコを吸った」→他人の行動のせいにする
「上司からの命令だったから、そうした」→集団の圧力のせいにする
「校則違反だから、罰しなければならない」→組織の方針、規則、規定のせいにする
どうでしょう?このような場合、どう考えるのか、何を大事にするのか、というところが抜け落ちています。
これが付き詰まれば「国が決めた戦争」は、やむなくでも肯定されてしまうでしょう。そして戦争の責任は「国家」や「状況」、「軍」という、どこか遠くてあいまいで大きなものに押し付けられることになるでしょう。開戦の意思決定に大きく関与する為政者を選んだのは、いったい誰でしょう?ほんとうの自己責任論とはそういうものだそうです。
参加者の声
ご参加お待ちしております。
だいぶかいつまんでご紹介しましたが、なんとなくNVCについて、またカフェの雰囲気を感じていただけましたでしょうか?
自分自身と向き合いたい
パートナーとうまく関係を築いていきたい
仕事の人間関係を発展させていきたい
などなど、幅広く使っていけるコミュニケーションスキルです。そして、”コミュニケーション””スキル”にとどまらない気がしています。一切を定義する関係性が、何から来ているのか、続けていくことで見えてくる気がしていて、とってもワクワクしています。
2020年のNVC共感カフェ詳細
途中の回からの参加でも構いません。
日時 | 2020年8月23日(日) 10:00~15:00 2020年9月27日(日) 10:00~15:00 2020年10月25日(日) 10:00~15:00 2020年11月22日(日) 10:00~15:00 |
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場所 | ツドリバ -RO-(いとあんラウンジ) ※駐車場は4台まで利用可能。お近くの方は徒歩又は自転車でお越しくださいますと助かります。 |
参加費 | 各回3000円~6000円のスライディング形式 |
持ち物 | 持ち寄りランチの一品 |
ご予約方法 | specialflow0318@gmail.com 《中尾》 |
地図 |